Polémica by WIRED + Loftwork

問いを再設定し、新たな 「価値」を育むシステムをつくる

若林:お金という価値軸だけが極端に立っちゃうと、業務成果を四半期ごとに出さねばならないといったかたちで、どんどん視野が短期スパンで狭まっていくんだと思います。もちろん日々のごはんを食べていくために日銭を稼ぐことは重要なんだけど、人も会社もそのために生きているわけじゃないですよね。なので、そもそもの評価軸を見つめ直す必要があると思う。既存の市場システムを否定するのではなく、オルタナティヴなモデルも同時につくって並走させていかなきゃならないんだと思います。

林:企業が何かを解決しようと取り組むとき、そのお題がまず間違っているかもしれないと疑ってみる必要があると思うんです。自分たちが本当に向かいたいと思うベクトルをもう一度掘り起こして、いままでの「問い」を見直してみる。日本の企業には技術力と情熱がある。それを最大限に活かせる状況をつくりたいですね。

若林:きっと「Polémica」のアプローチはふたつあって、ひとつめは問いの再設定。色々な議論を重ねるなかで、正しく問いを設定すること。ふたつめは新しい「価値」を見出し、育んでいく社会システムをつくること。これって万人ウケするサーヴィスではないし、いまの市場基準では儲かるかどうかもわからない。アウトプットの方向すら未知数だけど、共に進む新しい旅を楽しんでもらえたら一番ですね。

林:このサーヴィスで最も期待しているのは、関わる人それぞれの思考が跳躍すること。プロジェクトメンバーみんなで、宇宙くらいまでヴィジョンも思考も飛ばしてみたい。その宇宙から帰還しなきゃいけないところはロフトワークがしっかりサポートします。どこに着地するかわからないけど、売上目標を掲げたプロジェクトからだけでは生まれない、新たな視点を見出していきたいんです。どういうビジネスをつくるかという視点を越えて、どういう社会にしていきたいか、というヴィジョンが何よりも重要。その思いが確信に変わり、周囲の人も会社も巻き込んだプロジェクトへと発展していくような手助けをしたいですね。

若林:芽生えたヴィジョンを社内の人間や、周囲の人に信じさせ、それがクールなことなんだということをきちんと訴えるという点において、ぼくらのようなメディアが役立つこともあると思っています。たとえばあるプロジェクトが記事として発信されると、社内啓蒙という部分でのインパクトにつながったりもするんですよね。世間の視点にさらされることで、社内理解が深まっていく。それは大きな取り組みではないかもしれないけど、小さくても結果が出ることで、みんなに、なんとなくお荷物扱いされてしまいがちな新規事業担当の人たちも、目に見える結果は出ていなくても、ごくつぶしじゃないんだって胸を張って言えるわけです(笑)。